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月に泣く~BLEACH~

第8章 ~伍~NEW


何時間か経ち急に差し込む光にオレは目を覚ます


(カーテン閉めてなかったな..雨上がったのか)


ふとサラをみたオレは眉を寄せた
魘され息が荒く、額には汗をかいている


「サラ?サラ!?」


呼ぶとハッと目が見開き勢いよく上体を起こした


「ハァッ…ハァ!!…一護?」


「凄く魘されてたけど...大丈夫か?」


「…ごめんね…今日泊まるべきじゃなかった…」


「?」


「満月の夜は必ず魘されるの…今日は雨だったから気付かなかった…」


外をみると大きな満月がこちらを覗いていた


「でも何で…」


「…私ね…一年前からの記憶がないの。多分その事に関係してるのかも…」


「本当なのか...?」


「うん…ごめんね変な話して…もう大丈夫だから」


そう言って笑みを浮かべたサラは布団に潜る
オレも黙ってベッドに戻るも、すぐに声を掛けた


「サラ…こっち来いよ」


サラが振り向くとオレは毛布を持ち上げてサラを見つめた


「…でも…」


「…また魘されたら心配だし。いいからこっち来いって」


乱暴だが優しさが隠る話し方にサラは嬉しそうに笑みを浮かべると一護のベッドに潜り込んだ


「ごめんね…」


「気にすんな、こんな事で。いいから寝ろ?…不安なら...手握ってやるから…」


一護はそう言うとサラの手を優しく包み込む
サラは不安からか弱弱しく握り返した


「ありがとう…一護…」


お互いに見つめ合い微笑むと一護は空いてる手でサラの髪を撫でる。
サラはその心地よさから次第に瞼が重くなりすぐに眠りにおちた



眠っているサラを一護はそっと自分の胸元に引き寄せると、顔にかかっている髪をゆっくりと退かし頬にキスを落とした


「これくらい許せよな……」


一護はそう呟くと瞼を閉じた



サラに過去の記憶がないなんて


いつも笑っててそんなもん抱えてるなんて知らなかった


でも少しだけでも弱さに触れられた気がして


護りたいと思った


護りたいと思うのなんて久しぶりなんだ


俺はサラを護りたい


俺は



サラの事が好きだ

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