第8章 ~伍~NEW
最近よく猫を見かける
私は二階の自分の部屋にいる時に、よく窓から外の景色を眺める事があった
今日も何気なく窓に目を向けると顔が綻ぶ
「今日もいる❤」
それは最近度々現れる黒猫の事で、何をする訳でも無くただ屋根の上でジッとしている
「猫さんおいで?」
窓を開けて手を伸ばすと必ずどこかへ行ってしまう。それもお決まりになっていた
(また駄目かぁ…野良なのかな?でも凄く綺麗な猫…)
毛並みは艶があり、黄金色の瞳は惹き付ける物があった
その日の夕方、
「そろそろ店じまいしましょうかね。お~い雨!!表を閉めてきてくれないかい?」
雨「はーい」
暫くすると雨は困った顔をして戻って来る
「雨?どうしたの?」
雨「喜助さん…にゃんこ」
その声に皆で表を覗くと一匹の黒猫がこちらを見つめていた
「……よ、夜一さんじゃないッスかぁ~♪お帰りなさ~い!!」
そう言うと喜助さんは黒猫に駆け寄り高い高いを始める
それに対し黒猫はフーッと威嚇し逆毛を立てていた…
ジ「…何だぁ?あの猫」
「夜一さんと言いましてな、店長の無二の親友なのです」
ジ「へぇ~無二の親友が猫か…なんつぅかウチの店長って…気の毒υ」
「まぁそういう見方も出来ますなぁ…」
「あの猫…」
黒猫の夜一を連れて中へ入ると喜助さん私はの前に夜一さんを置いた
「この猫、夜一さんって言って私の親友です。仲良くしてあげて下さいね♪」
「夜一さんって名前だったんだ…よろしくね夜一さん♪」
私が夜一さんにお辞儀をすると今まで一度も寄り付かなかった夜一さんが擦り寄って来た
「……夜一さんご機嫌ッスね。サラさんの事が好きみたいだ」
「あはっ嬉しい~♪」
私は今までの態度が豹変した夜一さんが歩み寄ってくれた気がして頬擦りをくり返した