第8章 ~伍~NEW
一護 SIDE
綺麗だ
それ以外の言葉が浮かばない
言葉を失う程、彼女は綺麗で…
自分を見る迷いのない視線に思わず目を反らし俯いた
そのまま彼女は帰っていき、親父に送るよう家を追い出された。自分のさっきの行動を知るにもいい機会だと思った
あまり会話は無く、お互いに無言で歩く
でもそれが凄く心地好かった
そのうちあっちから話しかけてきて
でもその内容に少し困惑した
俺の髪は生まれつきオレンジ色で昔から変な目で見られる事があった
小さな頃はその程度だったが中学生にもなると周りの反応は酷くなった
この色と目付きの悪さで不良から喧嘩を売られ教師からは毎日の様に染めろと言われ不良扱い
だけど絶対にそれはしなかった
だってこれは俺の色だから
彼女が質問してきた時、彼女も同様に嫌悪感を抱いていると思い表情に出た
彼女に嫌われたくない
だけど彼女は反対に綺麗だと褒めてくれた
それに嬉しくなって思わず顔を見て笑ってしまった
そこには俺の知らない俺が居た
そして彼女は俺が嫌っていると思っていた
違うんだ
目が見れないのは君が綺麗過ぎるから
そっけないのは何を話したらいいのか解らなかったから
"黒崎君"と呼ばれた時嫌だと思ってガキみたく言い訳をしてしまった
何だか目に見えない壁が有るような気がして、俺の名前を呼んで欲しかった
もっと彼女に近付きたかった
"一護"と笑顔で呼んでくれたあの時の表情
俺の心に焼き付いて離れなかった
どうしてこんな気持ちになるんだ?
この気持ちに気付くのはもう少し先の話――――
――――――――――――――
オマケ
「ただいま~…」
「コラ!!遅いから心配したんスよ~!?」
「ごめんなさい。すぐにケーキ作っちゃいます!!」
「おや?その足どうなさったのです?」
「あ、これは車に…」
「何ですって!?だからサラさん一人で行かせるの反対したんスよ!!!そんな綺麗な足に傷でも残ったらどうするんですか!?」
「いやいくらなんでも…」
「も~サラさん外出禁止!!!!」
「えっ?えーーーーー……」
ジ雨「「……過保護υ」」