第8章 ~伍~NEW
家族の過剰なスキンシップも落ち着き私は手当を受けていた
「よし、終了!!」
「ありがとうございます一心さん」
「"一心"…それもまた良し…!!」
夏「キモいわエロ親父!!」
「クスクス…本当に仲良しね」
遊「お姉ちゃんもそう思う?家の家族すっごく仲がいいの」
「そうなんだ…他にも家族はいるの?」
遊「うんっ後ねーお兄ちゃんとお母さん…そうだ!!お母さんに会ってあげて?」
私は遊子に案内され自宅の居間へと向かった
夏「…で?何で親父まで付いてくるんだよ!?仕事しなよ!?」
「だって真咲とサラちゃんの感動の対面に一家の主が居なくては話にならんだろう?」
「ふふっ...で、真咲さん?はどこに……」
そこには[Masaki Forever]と書かれた巨大な遺影が飾られていて、私は言葉を途切らせた
「こいつらがまだ小っさい時にな…おーい真咲。今日遊子がこのお嬢さんに助けて貰ったんだ。お前からも礼言ってくれ」
「………一心さん」
「サラちゃん、お陰で真咲に怒られずにすんだ…本当にありがとう!!」
頭を下げニカッと笑う一心さんに私は心が温かくなった
なんとなく懐かしいような感覚を持ちながら、遺影の前に歩み寄る
(…真咲さん初めまして。遊子ちゃんも夏梨ちゃんも凄くいい子で一心さんも素敵な父親だと思います。
今日初めて会った私が思うんです。貴女も素晴らしい母親だったんでしょうね。貴女に逢って見たかった…)
遺影を見つめる私の眼にはなぜだかうっすらと涙が浮かんでいた
「(人の為に泣く事が出来る…何て心の綺麗な子なんだろうな)……ありがとなサラちゃん」
それから暫くして私は帰る為に玄関にいた
「今日はありがとうございました」
「お礼言うのはこっちだよ。また真咲の顔見に来てやってくれ」
夏「絶対遊びに来てよね!?」
「お姉ちゃんまたね!!」
「うん、絶対また来るね♪」
私は帰ろうと三人に一礼して扉に手を掛ける。すると、自分の力とは逆に扉が開き思わず前に倒れそうになる
「きゃ……」
だが開いた扉の前の人物に支えられ倒れる事は無かった
「悪りぃ!!大丈夫か?」
顔を上げるとそこにいたのはオレンジの髪をした―――