第8章 ~伍~NEW
それから2週間後、彼女の生命力が打ち勝ち目を覚ます
彼女はゆっくりと目を開け上体を起こした
意識が朦朧としてるのか目は虚ろで言葉を発しない
みかねた鉄裁が声を掛ける
「目覚めましたか。体の具合はいかがですかな?」
「……大丈夫です…」
その声に一同安堵の息を吐くが次の瞬間にはその気持ちは消えてしまう
「あの…何故私は此処に…」
ジ「お前血だらけで倒れてたのをテッサイさんが運んで来たんだぜ?」
「血だらけ…?」
「そうです。何故あの様な怪我を?」
「私がどこか怪我を…?」
雨「お姉さん死神ですよね、何者かに重症を負わされたんじゃないんですか?」
「……死神?」
その言葉に喜助は眼を見開き冷や汗が流れる
「…覚えてないんスか?アナタの名前は?」
「ハルカ…サラ」
「なら…アタシの事は…」
喜助はゴクリと喉を鳴らす
サラは黙って喜助の方に首を向けるとジッと見つめた
「どこかで…お会いしたことありますか?」
「―――――!!!」
喜助は全てをさらけ出したい想いで一杯になった
自分とサラとの関係を
今までの想いを
どうしてサラがこんな事になったのか
一体何が起きたのか聞きたい事は山ほどあるのに...
やっと再び出逢えたのに――
喜助は拳を握りしめて小さく息を吐くとサラに向き直り努めて明るく笑った
「いえ...初めましてッス!!アタシは浦原喜助、ヨロシクねサラさん♪」
その笑顔にサラが少しだけ微笑んだ気がした