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月に泣く~BLEACH~

第8章 ~伍~NEW


一人の男が川の近くの桟橋を歩いていた


かなり大柄な男でおさげに眼鏡という独特な風貌でエプロンを身に纏い、手には食材を入れた袋を提げていた


(早く帰らねば夕食の準備に間に合わぬ!!)


その大男はふと川辺に視線を向けると誰か倒れているのに気が付く


「なんと!!」


大男は凄い勢いで河原を駆け下り、倒れている人物に近寄る


「大丈夫ですか…な…」


大男は驚愕する
身体中血に覆われピクリとも動かない女性
顔は蒼白く生気がまるでない


「これはいかん!!!!早く運ばねば!!!!!」


大男は食材の袋を投げ捨て女を抱き抱える
仰向けになった姿に又も眼を見開く


肩から腹部にかけて深い擦過傷、反対の腹部は腰にかけて貫通していた


「これは酷い……ん?」


身体中血に覆われてるのと、気が動転していた事もあり気付かなかったがこの女性…


「……死神…!!!」


大男は思い出したかの様に抱え直し、家路を走り出した



――――――


空座町のとある一角に生活雑貨や駄菓子を売る小さな商店があった
そこに住む店主と店員二名は大男の帰りを今かと待っていた


「ったく…すぐ帰って来るって言ってどんだけ経ってんだよ!?」


「でも…それはジン太君が急にハンバーグ食べたいって言うから…」


「うっせぇ雨!!!オレに口答えすんな!!!!」


ジン太という少年は同じく店員である雨という少女の髪を引っ張る


「痛いよジン太君!!私の方がお姉ちゃんだもん!!!」


「姉貴面すんなゴキブリ女!!」


「ジン太やめなさい。雨が可哀想でしょうが」


「だってコイツが…」


すると突然表の扉が勢いよく開けられる


「ほらっ帰ってきたみたいッスよ?」


その音に店主は居間の襖を開ける


「テッサイさんお帰りなさ~い。待ちくたびれました……」


皆はその姿に言葉を失う
息を切らしたテッサイと名乗る大男が抱えているのは血塗れの女性


「…どうしたんすか?その人…死神...?」


「説明している暇などありませんぞ!!一刻を争う事態です!!すぐに結界を張り回帰能力で治療致す!!!!すぐに準備を、"浦原"殿!!!」


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