第3章 ~弐~FRIEND
喜助さんと別れてから早数年、私は修行を続けていた
死神になる訳でもない
一人で生きていくには十分すぎる力を付けた
ただ...
喜助さんが私を護ってくれたように、
私も何かを〝護りたい”
その思いが私を動かしていた
修行を早々に終えた私は、森の中を歩いていた
小鳥のさえずりや穏やかな風が頬を撫でる
「気持ちいい...」
ほう、と息をつき、何気なく視線を向けた方向に、人が倒れているのが見えた
私は慌ててその人物に駆け寄った
「....寝てる?」
そこには自分と同い年くらいの少年が寝息をたてている
私はスッと手を伸ばし、少年の肩を揺さぶった
「こんな所で寝てると風邪ひくよ?」
うーんと、目を擦りながら起き上がる少年は暫くして寝ぼけ眼からハッと我に返った
「寝ちゃってたのか...てか...オマエが起こしてくれたのか?///」
少年は顔を赤らめて尋ねる
それは自分を起こした少女があまりに綺麗な顔をしていたから
「うん、何でこんな所で寝てたの?」
「あー何ていうか...修行?そんで疲れていつの間にか寝てたみたいだ」
「そう...なんで修行してるの?」
「オレ強くなりたいんだ」
「...それは何の為に?」
「弱虫ってバカにする皆にオレを認めてもらうんだ。それと、あるコトをある人に証明するためだ」
「それは誰かの為?自分の為?」
「へ?」
「...ううん、何でもない」
訳が分からず呆けた顔をした少年に、サラは静かに微笑んだ
その笑顔が一瞬寂しそうに見えた気がした少年は、分からず首を傾げた