第7章 ~柶半~CHANGE2
あたたかい…
何であたたかいんだろう
そうか…私の血だ―――
微かに開いた横目で地面を見ると、みるみる内に紅い血溜まりを作っていく
体が動かない
あれだけ深く斬られたから…
でも不思議と痛くない
死ぬ時って痛くないのかな
結局私はまた護れなかった
ごめんね天貝さん
ごめんね貴船さん
ごめんね真樹
ごめんね藤丸
ごめんねまつ梨
こんな隊長でごめんなさい
「…海燕さん」
貴方の元へ行ってもいいですか
「喜…助……さん」
最期にもう一度貴方に会いたかった
御礼が言いたかった
優しく抱き締めて貰いたかった
(これで二度目か…)
なら私は同じ場所に還りたい
私は最期の力を振り絞り時間をかけて立ち上がる
その間にも血は止めどなく流れ続ける
一歩一歩ゆっくりと歩を進める。ズルズルと歩く為、隊長羽織が脱げ地面に落ちる。そんな事も気にせず歩き続けた