第7章 ~柶半~CHANGE2
「ついでにもう一つ。類似する文献はどれも二人の既読記録が残っています。記録の時期は約百年前…そんな時期に読む人は貴方を除いて唯一人。技術開発局初代局長…浦原喜助。
彼はその時期、禁を犯し追放されています。でもその時にもう一つの事件がありました」
「魂魄消失事件…それは私も覚えているよ。沢山の犠牲者が出たからね」
「えぇ。隊長格が一度に八名も…追放者などを含めると十人以上です。いくらなんでも殉職で片付けられるなんて話が上手すぎる。
先程の事件…急に天貝さんの顔に白い物体が現れました。そして斬ると跡形も無く消滅した…
魂魄消失事件とあまりに酷似しています!!そして虚はより強い魂魄に寄生すると…貴方が昔も隊長格で実験をしたのではないんですか!?」
私の問いに藍染隊長は悪びれる様子も無くほくそ笑む
「あぁ…あれは成果のある実験だったよ。あれだけ強い魂魄だと全て取り込まれる事は無いみたいだしね
でもあの時も今回も失敗だ。すぐにバレてしまったから…」
「まさか...」
「浦原喜助だよ。だから彼には罪を被って貰った」
「何て事…人の気持ちを何だと思っているの!?」
「元はといえば浦原喜助の研究が僕をこうしたんだ」
「どういう……!?」
私が聞き出そうとすると藍染隊長が私の頬に触れる
「君は本当に美しくて賢くてこのまま捕まるのは勿体無い位だ…僕達の仲間にならないかい?そしたら此処から逃がしてあげよう」
「僕達…ギンの事ね」
「ギンは昔から僕の忠実な部下でね。君はギンと仲がいいようだし悪い話じゃ無いと思うんだが...」
「…断ったら?」
「君は色々と知り過ぎたからね…君の力も君も失うのは辛いが死んで貰うよ」
「そう…でも貴方達に協力する事は出来ない」
「…残念だ」