第7章 ~柶半~CHANGE2
[緊急厳令 緊急厳令!!零番隊に異常発生!!
副隊長天貝繍助、第三席貴船理、第四席一ノ瀬真樹、第五席宮能藤丸及び宮能まつ梨を殺害後、現場より逃走。
主犯零番隊隊長ハルカサラを発見次第捕縛すべし!!繰り返す……]
辺りに厳戒令が敷かれ瀞霊廷内では私を探す人で溢れかえっていた
私は人目を掻い潜りながらある場所へと向かっていた
そしてその途中である人物を前に足を止めた
「こんばんわ…修兵」
荒い息を整えながら笑みを浮かべる私に、鞘に手をかけながら私を見るその顔は何とも哀しげな表情であった
「サラ…どうして逃げるんだ」
「…皆が追いかけて来るから」
「冗談言ってる場合かよ!!今回の事で瀞霊廷は酷く混乱している。真実を知る為にも大人しく捕まってくれ…」
「捕まる、か…修兵も私を疑っているのね?」
「そうじゃねぇ!!だからこそオマエの口から真実が聴きたいんだ。総隊長や他の隊長格ならきっと解ってくれる…だから…」
「やはり貴方は何も解ってないわ修兵…真実は眼に見えてる物ばかりじゃ無い。私はそれを確認する為にも捕まる訳にはいかない…そこを開けて」
「どういう意味だよ…それって 」
修兵が言葉を紡ごうとした瞬間、捜索隊の声が近くで響き、修兵は一瞬気を逸らす。その隙に私は修兵の横をすり抜けた
「待てっ……!?」
修兵は追いかける事が出来なかった。サラが自分の横をすり抜けた瞬間、
「ごめんね……修兵…」
その今にも消え入りそうな声に修兵は唇を噛み締めた
そして不意に地面を見やると小さな血溜まりが出来ているのに気づく
先程の返り血なのか、見つめている内に違和感を感じその血溜まりに触れてみる
「温かい…もしや...サラ!?」
修兵はサラの消えた方角を見つめ拳を握り締める
「…少しの時間なのにこの量…馬鹿野郎…死ぬ気か…サラ…」
言葉とは裏腹に修兵の瞳からは一筋の涙が流れていた
大霊書回廊、私はそこの隊長格のみが入れる回廊に身を潜めた
それはある事を調べる為…
私は血のついた指で次々に本を捲り一つの結論にたどり着いた