第7章 ~柶半~CHANGE2
「…刀を抜け松本」
「し…しかし!!」
「今コイツを止めないでいつ止めるんだ…!!」
「隊長…」
気持ちが決まったのか乱菊は抜刀し私を見据える
2人の瞳は動揺と不安で溢れていて
(...ごめんね)
「……そう…なら仕方無いですね…癒せ【月華】!!」
解号すると辺り一面に白銀の結晶が舞い、濃霧の様に視界を悪くした
「視界の悪いなかいつ襲って来るか解らん!!お前等気を抜くな!!」
だがいつまで経っても仕掛けて来る様子も無く、次第に景色が晴れていく
「まさか…追え!!松本!!!!」
「隊長!?」
「これはただの目眩ましだ!!サラはもう此処にはいない。オマエは警邏隊とサラを止めてくれ…オレはココを調べる」
「…了解しました」
乱菊達がサラを追ってその場を離れると、冬獅郎は刀を収めた
「…何故貴様は追わなかった」
「ココの状況を確認し早急に上に報告しなきゃなんないでしょうが。それに…」
「何だ?」
「今のオレには冷静な判断が出来そうもねぇ…」
「…フン。心を無くさねば上になど立てぬぞ日番谷」
「あぁ…」
でもアイツは…
サラだけは違うんだ
冷静さを失うのも
心が踊らされるのも
サラだからなんだ
サラ……
一体何があったんだ
始解した時のあいつの眼
凄く悲しそうだった
「サラ…」
冬獅郎は呟き空を見上げる
そこには満月に照らされより輝きを増す白銀の結晶が舞っているだけであった