第7章 ~柶半~CHANGE2
目の前で貴船さんが殺されて辺りに血の海が拡がる
動揺を隠せない中、私は咄嗟に刀を抜いた
「…何て事を…そうやって藤丸もまつ梨も真樹も殺したのね!?」
《あの双子とそこの男か…あれはこの貴船という奴がやっただけの事…我は何もしておらぬよ…》
「操っておいてよくいうわね…私が目的なら私を狙えばいいじゃない…」
《それじゃあ実験に為らんだろ…折角人に寄生したんだ…より強い霊力を求めあやつらを襲ったが話にならん…
だから殺させたまでだ…我は小娘の様な極上の魂が好みなのでな…》
「随分回りくどい事するのね…花を手向けるなんてこれも貴方の策略かしら?」
《花…?何を訳の解らぬ事を言っている…我は今日こやつに寄生したのだ…そんな事は知らぬが...》
「…なんですって?」
零番隊隊長に就任してから毎日の様に届けられた向日葵
今回、犯行予告の様に使われた向日葵
同一人物である事は間違いない…
この犯人は天貝繍助に寄生した虚の筈なのに―――
《無駄話が過ぎたな…他の奴らが来て邪魔されたら敵わぬからな…そろそろ食させて貰おうか…!!!》
虚はそう叫ぶと私に斬りかかる
私は防戦一方で天貝さんを助ける方法を考えた
(ダメだ…術が見付からない!!)
《どうした小娘…我を斬らぬ限り食されるだけぞ!?》
その言葉に海燕さんの光景がフラッシュバックする
刀に貫かれた海燕さん...
また同じ事を繰り返すしかないのか――――
「私は…天貝さんの、天貝繍助の上司です!!私は貴方達を護ると…支えになると誓った!!だから…貴方だけでも護りたい!!』
その瞬間虚の動きが止まった
そしてうめき声を挙げながら苦しみ出す
「...天貝さん?」
「ハルカ隊長…」