第7章 ~柶半~CHANGE2
その言葉をきっかけに前から天貝さんが笑みを浮かべながら歩いてくる
「最期の別れを待ってあげたのに随分な言いようだね?」
「早く出てきたいっていう霊圧でしたから…何故貴方が…」
「おや?さっきの一ノ瀬の話ちゃんと聞いてなかったのかな?」
「…どういう意味ですか!?」
すると突然腰の辺りに鋭い痛みが走る
「―――――!?」
ゆっくりと下に目線をずらすと左の腰から腹部にかけて刀が背後から私を貫いていた
「くっ――――!!!」
そして刀を辿っていくと知っている顔にぶつかった
「き…ふね…さん!?」
貴船さんは無表情のまま何も話そうとしない
私は貴船さんを払いのけると刀を自分から抜く。抜いた所からはじわじわと血が溢れ出していた
「言ってただろう?"やつら"って…零番隊隊長さんとあろう者がちゃんと聞いてたらそんな痛手を負う事もなかったのに…」
そう言って天貝は妖しく笑い出す
「あなた…誰なの!?」
「変な事を言うね…私は天貝繍助だ。君も知ってるだろう」
「私が知ってる天貝はこんな事しないわ…勿論貴船さんも。
そして何より霊圧が違う...その霊圧は...」
「ほぅ…やるねぇ…そこまで言われちゃ隠す事も無いな」
すると天貝の身体から白い液体が溢れ出て顔の半分を覆う
「…虚なの!?」
《ご名答…小娘にしちゃ鋭いな…なら解るだろう。こうなった以上こやつは助からん…》
「……貴船さんは!?」
《あぁ…貴船という男は催眠状態なだけだ…だがもう用済みよ…》
次の瞬間、天貝さんの姿をした虚は貴船さんを切り裂いた