第7章 ~柶半~CHANGE2
部下を捜し始めて早一時間が経とうとしている
私は瀞霊廷の外れまで来ていた
そしてそこに倒れる一人の死神を見つける
「...…真樹!!!」
私はすかさず近寄り真樹を抱き起こす
真樹の腹部からは夥しく血が流れ私の手を紅く染める
「どうしてこんなこと...すぐに…直ぐ治療するから!!」
治癒霊力を使おうと手を翳そうとするが、その手を握られる
「いいんです…」
「真樹!?手を離して、治療しないと―――」
「もう手遅れです…こんなに深くちゃ自分でも解る…それより聞いてください…」
息も絶え絶えに微かに響く声に、私は眉を潜める
「…?」
「貴女を支えると言ったのに…すみません…もう、出来そうもない…」
「...何言ってるの!?私のせい...なんでしょ?…真樹が…こんな…」
「俺が…弱かっただけです…まさか…あいつらに…」
「――――知ってるの?誰が藤丸やまつ梨や真樹を斬ったのか!!」
「…逃げて下さい…あいつらは…人じゃない」
「どういうこと…」
私が聞き出そうとすると握られていた手がさらに強く握られる
「サラさん…俺は...貴女をお慕いしてました…零番隊で良かった…最期に…貴女の顔がみれて‥よかっ―――」
急に私を掴んでいた手がするりと外れると、真樹は穏やかな顔で眼を閉じ、二度と開ける事はなかった
「ま……き…―――」
悲しみにうちひしがられる暇もなく、嫌な霊圧が背後からのしかかる様に被さる
「!!!――誰っ!?」
後ろを振り返るが誰もいない。だが、嫌な霊圧はそのままだ
「……ごめんね真樹…少しだけ此処にいてくれる?」
私は立ち上がり真樹から少し離れると、霊圧を感じる方を睨んだ
「出てきたらどうですか…天貝さん…」