第2章 ~壱~MEET
藍染達が去った後、辺りは静寂に包まれていた
先程まで笑ってた平子も、もう意識はなかった
鉄菱は禁術とされている[時間停止][空間転移]を使い、喜助の隊舎へ全員を運ぶ
喜助が隊長を務める十二番隊は技術開発局を兼任しており、
喜助は創始者で局長を務めていた
そして、喜助は死神の魂魄の強化について研究していた
その中で、到達した〝解”の1つが[虚化]だった
幾年も研究を重ね、死神と虚の境界線を破壊創造する物質を作り出した
物質の名は[崩玉]
「その崩玉を使って平子さん達を治します...日の入りまでに効果があれば...」
それから数時間経ち、隊舎に日が差し込む
「.....すみません鉄裁さん...失敗です」
「浦原殿...」
そこには昨日と同じ光景が広がるだけ
喜助達が立ち尽くしていると、突然、隊舎の扉が開き、刑軍が入ってくる
「!?」
「十二番隊隊長 浦原喜助及び、大鬼道長 握菱鉄裁!!中央四十六室の命により捕縛されたし!!!」
[中央四十六室]
尸魂界の最高司法機関で、死神の罪咎の全てを裁く
そして...一度下った裁定は覆る事は無い
喜助は隊長格への虚化の実験を試行した容疑がかかる
その全ては藍染の目論見だと訴えるが、虚偽の発言として却下される
「浦原喜助!禁忌事象及び行使、重致罪の罪により、霊力全剥奪に現世に永久追放とする!!」
事が上手く進み過ぎている
これも藍染の策略なのか...
「尚、邪悪なる実験の犠牲になった哀れなる五番隊隊長以下八名の隊長格は〝虚”として処理される」
「――――――!!! ちょっと待ってくださいっ!!そんな...」
すると突然、乱暴に扉が開かれ、布で顔を隠した人物が入ってくる
辺りが騒然とする中、その人物は、手枷をされていた喜助と鉄裁を自由にし、2人共々逃走した