第6章 ~柶~CHANGE
「ええ……」
「何故隠しておった?」
「…聴かれなかったものですから」
その言葉に隊長の何人かが声を殺して笑う
京「いやぁサラちゃん、君面白いねぇ♪」
「春水静かにせんか!!しかしサラ、卍解が出来るという事は隊長に成れる資格があるという事じゃ」
「私はその様な器では有りませんし、今の隊長格には空きなど在るように見えませんが?」
絶対的に不可能だと分かったうえで挑発的に笑うと、爺は片方の口角を上げる
「甘いのぅ、儂が考え無しで言う訳があるまい。今度新たに王族特務を主とした零番隊を発足する事と成った。其処に隊長枠がある」
爺の突然の一言に全体がざわつき、私も焦りを見せる
「お…お言葉ですがそんな大役私には!!」
「そうかのぅ?大虚の大群を一瞬で亡き物にした強さ、聡明さ、気品、隊士からの信頼…隊長の資格は十二分に揃っておるがの」
「………じぃ…どうしてもやらなきゃダメ?」
俯く私に爺は少し黙るが、咳払いをした
「サラ…儂個人としては御主の意見を尊重してやりたいが総隊長として発言する。これは命令じゃ」
「……仰せの通りに」
「うむ…しかし儂の一存で決まる物でもない。御主は隊長になる方法を知っておるかの?」
私は首を横に振る
1、総隊長を含む隊長三名以上の立会のもと行われる隊主試験に合格すること
2、隊長六名以上の推薦を受け残る七名のうち三名以上に承認されること
3、隊員二百名以上の立合いのもと現行の隊長を一騎討ちで倒す事
「この三つの中から一つを遂行し隊長と成る。【隊首試験】はサラが前向きで無いので却下、【一騎討ち】は論外じゃ。御主には【承認】の形で隊長と成って貰う!!」