第5章 ~参半~BE LOVED2
「あの...どうしてそこまで私を...」
何気なく質問した瞬間、背中に悪寒が走った
藍染隊長が私を見つめている、ただそれだけなのに
以前にかんじた感覚が私を困惑させる
その間に、藍染隊長の距離は私に近づき、いつの間にか目の前に顔があった
「...君は...それを言わせるのかい?」
藍染隊長は私の頬に手を添えると、掠れたような低い声で囁いた
「っ.....」
その瞳はどこまでも穏やかなのに
私は恥ずかしさでもない感情に咄嗟に目を逸らした
「....すまない、困らせてしまったかな」
「いえ...」
スッと離れる藍染隊長に私はそれだけしか言えなかった
「ところでその本はなんだい?かなり埃を被っている様だが…」
何事もなかったかのように話す藍染隊長に、私も次第に落ち着きを取り戻していた
「私も分かりませんが…多分ここの書物を読み尽くしたので見た事のないこれに惹かれたんだと」
「ここのって…全てかい?かなりの数だが…」
「えぇ隊長格の回廊以外は。様々な分野を知れて面白いです」
「君は勉強熱心だね。僕はそういった類の書物はどうも苦手でね、頭が痛くなりそうだ」
「題字を見てもよく解りませんものね。私も一通り目を通すだけで終わりそうです(笑)」
クスクス笑うと藍染隊長は優しい眼差しで見詰めながら私の頭を撫でた
「やっぱりハルカ君は笑っているのが一番だね。これからも転属願いを出すつもりだから少しは考えてくれると有難い」