• テキストサイズ

桜の葉が舞い散る季節、貴方の傍に居られたら… 【気象系】

第6章 A.


「実家に行く前に、寄りたい所がある」

そう言われて、ニノに連れて来られたのは、病院だった。

「俺、どっこも悪くないけど?」

そう、俺は至って健康体そのもので、ここ数年は病院のお世話になったことすらない。

それなのに、何故?

「あのさぁ、相葉さんみたいな人が病気に見えます? どっからどう見たって、建康そのものでしょうが…」

褒められてんのか、それとも貶されてんのか…

まあ、どっちでもいい。

「じゃあ、誰が…って、翔さん?」

ニノが、“決まってるでしょ”と言わんばかりに溜息を一つ零した。

「いや、でもさ、保険証とかもないし、金だって俺そんな持ってないけど…」

頭の中に、財布の中身を思い浮かべてみるけど…

いやいや、絶対無理だ。
保険証もないのに病院なんかかかったら、いくら取られることか、分かりゃしない。

仮に払えたとして、その後の生活を考えると…

やっぱ無理!

「分かってますって、相葉さんの懐事情くらい。いや、たまたまね、ここで知り合いが働いてんですよ。昨日、ずっと翔さんと一緒にいたでしょ? で、ちょっと思ったことがあって…。
んで、翔さんのこと話したら、診察は出来ないけど、話を聞くくらいはしてやる、って言ってくれたんですよ」

なんだ、そうゆうことか…

俺はホッと胸を撫で下ろした。

しかし、ニノの奴…
何だかんだ言っても、顔が広いんだよな。
/ 143ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp