• テキストサイズ

桜の葉が舞い散る季節、貴方の傍に居られたら… 【気象系】

第5章 R


「もう、絶対おかしいんだってば!」

仕事の合間の休憩時間を、俺は二宮との電話に費した。

二宮も松本と同じく、高校時代の同級生で、多分一番中が良かった、所謂“親友”ってやつだ。

もっとも、二宮が俺を“親友”だと思っているかどうかは、疑問だなんだけどね?

ま、何でも腹を割って話せる奴に変わりはない。

「おかしい、って言うけど、相葉さんよりおかしいのって、よっぽどだよ?」

そうなんだよ、俺より…

「って、そんな冗談言ってらんないんだってば…」

そう、こうしてる間にも翔さんは…

それを考えたら、落ち落ち仕事も手につかない。

「まあさ、大体の話は分かったけどさ、どうすんの?」

「そこなんだよなぁ…。どうしたらいいと思う?」

住んでるとこも分かんないし、第一あの状態の翔さんを一人にしておくのは、どうにも不安で仕方がない。

「実家は? 何か分かんじゃないの?」

そうか、その手があったか!

「それにさ、所持品とか無かったの? 財布とか、携帯とか?」

一応それらしき物は探してみたけど、手がかりになるような物は…

「あった! 一つだけあるわ…」

びしょ塗れになった、ボロボロのスーツの胸ポケットに入っていた、大野先輩からの葉書。

そこには確かに住所が書いてあった。
/ 143ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp