桜の葉が舞い散る季節、貴方の傍に居られたら… 【気象系】
第3章 K
その“あの人”こと“櫻井翔”らしき人物が今俺の目の前にいる。
正しくは、俺のベッドで眠ってるんだけど…
多分…だけど、この人は“櫻井翔”に間違いないだろう。
“多分”って言うのは、余りにも思い出の中の“櫻井翔”とは、まるて別人のようだから。
それにしてもどうすっかな…
家に連れて来たはいいけど、一向に目覚める気配はないし…
もしもこのままずっと目覚めなかったら…?
『25歳アルバイト店員、ホームレスをバイクで跳ね死なせた上、自宅に隠蔽』
いやいやいや、ありえねぇし!
それにまだ生きてるしね?
取り敢えず、当分目を覚ます気配もないし…
シャワーでも浴びてくるか…
ベッドの上の櫻井翔“もどき“のことは気になるけど、それよりも油と汗に塗れた自分の身体を何とかしたかった。
バスルームに向かい、服を全部脱ぐと、それを一纏めに洗濯機に放り込んだ。
洗剤を投入してスイッチを押すと、後は洗濯機に任せてバスルームに入った。
熱めのシャワーを頭から浴びながら、ふと思う。
あの人の着替え、どうすっかな…
流石にあのまま、って訳にはいかないよな…
取り敢えず俺の服着せるか…
いや待てよ?
その前に風呂入れた方がいいよな?
そんなことを考えていたら、シャワーを浴び終えた頃には、逆上せる寸前だった。