第15章 落涙
「岡本さーん。」
少し離れた先に岡本さんの姿を見つけ、走り寄る。
近づけば、思いもよらない人が勢揃い。
中村さん、入野さん、岡本さん……。
胸に掛かり、ずっと晴れなかった靄(もや)が一気に濃度を上げる。
「中村さんに入野さんに岡本さん。」
「勢揃いですね?」
口から勝手に言葉が発せられる。
私の中に立ち込める靄。
光を遮断し、真っ暗にする。
一歩近づき3人の顔を見つめる。
大きく息を吸って、ゆっくり吐き出す。
「中村さんと入野さんって、月島さんとご関係お持ちですよね?」
ニッコリ笑って、二人に話し掛けた。