第65章 混沌*
弓なりに撓るカラダ。
そんな私を抱き締め突き上げる。
これ以上無い、その先を目指すように何度も奥を目指す。
「信彦さっ…激しっ…」
「もぅ…っ…イっちゃ…っ」
執拗に繰り返される行為。
与えられる快楽に瞼を閉じれば、訪れる感覚。
「信彦さっ」
カラダにしがみつきながら感じる、変化する自分のカラダ。
痙攣するナカは、締め付け離さない。
「日菜乃…」
「んっ…くっ…んっ…」
「くっ…はぁ…」
「ん…っ…はぁ…っ…」
奥に広がる温かさ。
一滴残らずナカに注ぎ込むように、ゆっくり抽出を繰り返す。
何度か繰り返した後、今度は動きを止め抱き締められる。
抱き締められると愛されてるって実感出来る。
私は必要とされてるって。
触れるような口付けを交わし、額と額を合わせれば汗ばみ上気する肌。
「日菜乃が、上だと漏れちゃうね。」
そう言うと私のカラダを抱えながら、グルリと体勢を変え上から覆いかぶさる。
「漏れないようにくっつこうか。」
二人の間を満たしていたモノがカラダを伝って流れる。
繋がる部分をくっつける信彦さん。
「デキたら大ごとですよ。」
貴方の未来を潰す事なんて出来ないのに。
それなのに。
「信彦さん…事務所出されちゃいます。」
「ボクは、日菜乃を選ぶよ。」
髪を撫でながら、諭すように優しい声を掛けてくれる。
「…何言ってるんですか……周りが許してくれないですよ。」
貴方は、愛されてるから。
「沢山の人から彼方を奪う事なんて出来ない。」
小さく溜息をつく。
「こうして、一緒にいられるだけで幸せです。」
前よりも筋肉量が増えたカラダを指先で撫でる。
未来なんて先の事なんて分からない。
今は、この時間を。
汗ばむ肌を指先で撫でる。
今、ここにいるのは信彦さん。
視線を上げれば、困ったような表情。
「ボクはいつも願ってるよ。」
「…………………って。」
「え?」
「うぅん。何でも無いよ。」
そう言って髪を撫でる。
信彦さんが何を伝えたいのか。
ちゃんと聞きたいのに。
私のカラダは言うことを聞かなくて。
次第に瞼は重くなり記憶も遠のく。
二人とも裏切ってる。
もっとちゃんとしないといけないのに…
それなのに…