第60章 還御
胸の奥は痛いけれど、それでもよがり声を上げる自分は本当に最低なオンナ。
ココロとカラダが分裂したように、その狭間で私は立ち尽くす。
お腹の奥に広がる熱。
この感覚は知ってる。
『お互いの為にならないからね。』
そう言ったはずなのに。
カラダを傾け横を向けば、自分のナカから流れ出る感覚。
今、アナタはどんな顔をしてるんだろう。
「ごめん」
振り向いたアナタの背中は小さくて。
私がこうさせたと思うと、罪悪感でいっぱいなるのに…
どうしたらいいか分からないの。
カラダを重ねても、近くに感じられない。
これ以上アナタが傷つかないですむにはどうしたらいいの?