• テキストサイズ

逢ふことの(裏)~声優さんと一緒~

第6章 請願


指定された場所に着くと、すでに見慣れた車がハザードを点けてこちらを睨む顔を見つける。

「はぁ…」

大きく息を吐いて、後部座席に乗り込む。

「遅い。」

「はいはい。すみませんでしたー。」

「『はい』は、1回!」

「はーい。」

「伸ばすな!」

「本当に口うるさいですよね?」

「お前は、口ばかり達者になるよな?」

チラッとバックミラー越しに目が合う。

「友達が森本さんの事褒めてたから、見直そうと思ったけど撤回する。」

「水澤に見直されなくても支障は無いからな?」

ハハハッと笑って、アクセルを踏み込む。

「とりあえず、やるべき事をしっかりやれば俺は何も言わないよ。」

「出来て無いから、言うだけだ。」

「そうですかー。」

「台本チェックするので、黙っててくれます?」

「はいはい。」

「『はい』は、1回!」

「ったく……。」

チッと舌打ちの音が聞こえたけど気にしない。

舌打ちなんて、聞き慣れてるもの。
/ 549ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp