第58章 点綴
周りから好奇の視線を感じる。
視線を辿れば、裸足の足下。
「あぁ…そのまま来ちゃったんだ。」
バカバカしくて笑えてくる。
飛び出しても行くとこなんて無いのに。
頼れる人なんていないのに。
どれくらい歩いたんだろう。
何時なんだろう。
手に持つスマホを見る気力も無い。
ため息をついては一歩一歩歩みを進める。
それと同時に足の裏に痛みを感じた。
怪我でもしたのかな…
もう、どうでもいいけど。
見上げても曇った空。
建物の明かりが雲を照らすものの私の心のように低く漂う。
私を飲み込んでほしい。
そのまま消えてしまえばいいのに。