第48章 共鳴
フローリングに座った岡本さんの髪をソファーに座ってドライヤーで乾かす。
チラッと顔を覗き込むと気持ちいいのか、眠いのか瞼を閉じている。
天パの髪は、所々くるんっとしていて可愛い。
それでも後ろから見る姿は、やっぱり男らしくて抱き付きたい衝動を抑えるのに必死。
どれだけ欲求不満なのやら…。
乾かし終えて、耳元で囁けば「ありがとう。」と優しく微笑まれた。
手を引かれて、岡本さんの足と足の間に座る。
そうすれば、後ろから包み込まれお腹の前で手を組まれた。
耳に触れる柔らかな髪と吐息。
何も話さない岡本さん。
私は瞼を閉じ、呼吸音、体温を味わう。
話したくないなら、それでも構わない。
こうする事で貴方の力になれるのならば。