第47章 冀求*
カラダを引き寄せ、胸元に収める。
汗に濡れた髪に口づけた。
「岡本さん?」
「ん?」
「夢みたいです…」
「夢じゃないよ。」
「初めてのハワイが特別なハワイになりました。」
ボクの顔を見上げて微笑む。
「可愛い事言うの止めてよ。襲いたくなっちゃう。」
クスッと笑って今度は悪戯気に笑う。
「いつでも襲って下さい。」
「じゃあ、遠慮なく。」
腰に手を伸ばし擽ればケタケタ笑う。
「あはは。もう…止めてくださいよー」
「だって日菜乃ちゃんが襲えって言ったから。」
こんな時間も甘く感じる。
キミと過ごせるなんて夢みたいだけど、夢じゃないんだよね。
「岡本さんはいつ日本に帰るんですか?」
「んー。明日の午前の便。」
「え?もう帰っちゃうんですか?」
「うん。今朝来て明日帰るから…弾丸ツアーだね。」
「もっと一緒にいたかったのに…」
「そんな事言わないでよ。」
「帰りたく無くなっちゃう。」
「日菜乃ちゃんは?」
「明後日の便で帰ります。」
「じゃあ、帰ったら食事にでも行こう。」
嬉しそうに笑うキミの笑顔が本当に大好きなんだ。
ハワイでキミに想いを伝えられて良かった。
今度はゆっくり二人っきりで来たいな。