第47章 冀求*
「落ち着いた?」
ベッドに横になり、頬を撫でれば指先で感じる柔らかな肌。
目は真っ赤。
呼吸は少し落ち着いたかな?
「大丈夫?」
コクッコクッと頷く日菜乃ちゃん。
そっと額に口付ける。
「ね?」
「他にもキスしてもいい?」
そう問えば恥ずかしそうに俯きながらギュッと瞼を閉じる。
「それじゃあ、キス出来ないよ?」
「イヤ?」
瞼、頬、鼻先と啄むように口付ければ肩をすくめて逃げようと体をよじる。
「だぁめ。離さない。」
腰を引き寄せ顎に人差し指を添えて顔を上げる。
「ボクを見てよ。」
ポツリと呟けば、潤む瞳に映るボクの影。
不安になる必要なんて無いんだよね。
だって、ほら。
今、こうしてキミの瞳の中にはボクが映ってるんだから。