第46章 澄明
ノックした直後に開く扉に驚く。
突然開いた扉。
その先に居る待ち焦がれた人の姿を確認すると、視線はどんどん下へ落ちる。
見えるのはハーフパンツに素足、サンダル。
顔なんて恥ずかしくって見られないよ。
すると、突然腕を掴まれ暗い部屋に引き込まれる。
バランスを崩して、倒れかかるものの予想に反する感触。
温かくて、少し柔らかい。
でも逞しくて。
安心する。
ずっと求めていた感触。
息を吸い込めば、胸が高鳴る香り。
今までで一番強く感じる匂い。
耳元に感じる息遣い。
頬に触れる柔らかい髪。
全ての感覚がアナタに抱き締められていると私自身に実感させる。
ずっとアナタにこうして欲しかった。
岡本さん。
もっと強く抱き締めてくれませんか?