第45章 薄暮
食事をするもノドを通らない。
「大丈夫?調子悪い?」
スタッフさんが声を掛けてくれる。
「ハードスケジュールだったから、疲れが出たんでしょう。」
「今日は、早めに休みなさい。」
マネージャーが珍しく助け船を出してくれた。
いつもなら「スタッフとの交流も仕事のうち!」と叱り飛ばすはずなのに…。
何でだろう?
「ほら。早くしなさい。」
「その代わり、明日の撮影は万全な体勢で臨むように。」
何故か急かされ、お店を後にする。
タクシーに乗り込み目指すのは宿泊先のホテル。
一分一秒でも早くアナタに会いたい。
羽があれば飛んでいけるのに。
時折止まる赤信号がもどかしい。
普段は思わないけど…
何でこんなに赤信号に当たるんだろう。
日頃の行いが悪いのかな。