第44章 拈華
「やっぱりステーキは食べたいですよね。」
「さっきから、食べ物の話しばかり。」
「だって…まだ3時間しか経ってないし。先が長ーい。」
「映画でも観ればいいでしょ?」
私のマネージャーは基本的に口が悪い。
森本さんもストレートに言う人だったな。
今頃何してるのかな。
噂によると所属声優も数人いるらしい。
上手く行ってるのかな。
窓の外を見ると月が見えた。
良い天気。
向こうも晴れてるといいな。
「そろそろ寝ようかな。」
「是非、そうしてちょうだい。」
ブランケットを首元まで引き上げ瞼を閉じる。
「おやすみなさーい。」
「はい。おやすみ。」