第37章 乱脈
恐る恐る近づく日菜乃ちゃんを腕の中に閉じ込める。
髪に顔を埋めれば、シャンプーの香りが肺を満たす。
「日菜乃ちゃん。」
名を呼べば、ゆっくりと顔を上げる。
その瞳は戸惑いの色を濃くしている。
無理矢理するのは好きじゃないけど。
雨に濡れた生地から透けるキミの肌を見てから、我慢してた。
部屋に上げたのはキミ。
キスをしたのもキミ。
ボクは男だからさ。
すぐにカラダに現れちゃうし。
収める方法はいくつか知ってるけど。
やっぱり一人でするより、女の子に収めて欲しいって思っちゃうんだよね。
キミの気持ちを利用するなんて、やっぱり最低かな。