第37章 乱脈
「あまり綺麗じゃ無いですが…そこは目を瞑って下さい。」
通された部屋は、広いリビング。
ソファーにローテーブル。
大きいテレビに観葉植物。
ダイニングキッチン。
うん…シンプルだけど居心地がいい。
「岡本さん。タオルどうぞ。」
ボクにタオルを渡し、パタパタとスリッパを鳴らしながらキッチンに入る日菜乃ちゃん。
「コーヒーでいいですか?」
「あ。お構いなく。」
制してもカチャカチャと動作を続ける音がする。
運ばれたコーヒー。
「どうぞ。」
上目遣いでボクを見つめる。
「日菜乃ちゃん…お風呂入ったら?寒いでしょう?」
「え?」
「さっきから小刻みに震えてるし、それに…」
胸元を指差し、教える。
「生地が肌に張り付いている…」
「きゃっ…すみません」
くるりとボクに背を向けて、両手で胸元を隠しているようだけど。
背中も濡れてるんだよね…
白い下着がしっかり見えてる。