第22章 庶幾
ステージイベントに新曲の話。
仕事の話に、プライベートで行ったお店。
あっと言う間に京都に到着。
「久々に業界の女の人と話したかも。」
呟けば笑ってくれる。
「日菜乃ちゃんは、誤解されやすいんだよ。」
「勿体ない!こんなに話してて楽しいのに。」
「ありがとう。でも、分かってくれる人にだけ分かって貰えるだけで十分かも。」
自嘲気味に笑えば困ったように微笑む。
「そんな事言わないでよ。」
「他の人にも日菜乃ちゃんの良さ分かって欲しいよ。」
「あっ。もうそろそろ戻らないと。」
「そうだね。森本さんのご機嫌損ねると大変だしね。」
「うん…色々話せて楽しかった!」
「会場でも宜しくね?」
手を振りながら笑顔で見送ってくれる唯ちゃん。
本当に可愛い人。
ファンにもキャストにもスタッフにも好かれてて。
歌も上手で、ライブも出来て。
キラキラしてて。
見てるだけで笑顔になれる。
あんな風に私もなれるのかな?