第6章 ゾロとの手合わせ(恐怖。)
「で、お前はスイちゃんに何を聞いてたんだ。」
スイがいなくなったのを確認してから俺に聞いてきた
「お前には関係ねーだろ。」
「関係なくねーよ。女の子が…スイちゃんがあんな顔してたんだ…」
"あんな顔"クソコックの言う顔はどんな顔なのだろうか。
傷ついた顔か?それとも…
「冷たい表情だった。」
クソコックが言った
やっぱり見てたのか
道理でタイミングが良いわけだ
「…俺が答えていいことじゃねぇ。」
それだけしか言えなかった
「そうかよ。」
クソコックの返事は意外にもあっさりとしたものだった
「スイちゃんに…もし、辛い思いをさせたら…俺は許さねえぞ。」
「わかってる」
クソコックはスイをどんな風に思ってる?
ナミやロビンと同じか?
わからねぇな。
「ゾロ!」
後ろから声がした
誰かと思えば…
「ルフィか」
「おうっ!ほら、バンソーコー!!」
…何でルフィはあんなにも笑顔で俺に絆創膏を持ってくるんだ
ていうか、俺はそこまで怪我してねぇ!!
「いらねぇ」
「いるだろ!」
"ズイ"と俺の顔に絆創膏を押し付けてくるルフィ
「いらねぇって。」
「…それだけ怪我してるのにか?」
クソコックが言ってきやがった
そんなに怪我してねぇだろうが
「怪我なんてそんなにしてねぇだろ。」
「いや、そんな事ないぞ。」
ルフィがジッと見てくる
「じゃあどこが怪我してんだよ」
「全体的に」
「もっと具体的に。」
全体的とか言われてもわかるか
「ほっぺた、首、腕」
「それだけなら絆創膏なんて要らねーだろうが」
「とりあえず貼っとけ!」
ルフィに無理矢理貼られた
何でこんなにしつこいんだよ。
それに、貼り方雑いんだよ。
「ゾロ、」
スイの声がした
「大丈夫?」
心配そうな顔
冷たい顔じゃない。
「あぁ。」
ルフィがしつこかったのはそういう事か。
スイは俺らに怪我させたことを…
「ニシシ!な!言っただろ?スイ」
「うん。ありがとね、ルフィ」
「おう!」
何を言ったんだよ。