第3章 "水"の巫女
「「幻のお酒?」」
エースとルフィが首をかしげた
「うん。幻のお酒」
「久々に飲むな、この酒は」
白ひげが少し驚きを見せた
それもそうだろう
「このお酒、作れるの私だけだしね」
「「は?」」
エースとルフィが声をハモらせる
「グララララ、今年はうまく作れたのか?」
「当たり前でしょ?
最高の出来よ」
「それは楽しみだ」
白ひげは少し嬉しそうだ
「それって美味いのか?」
ルフィが聞いてきた
「美味しいんじゃない?」
「飲んでみてぇな。」
エースがポツリと呟いた
「白ひげに貰ったらいいじゃん」
「グララ、これは誰にもやらねぇよ」
「わー、白ひげのじじいはやっぱりケチだな」
「ケチも何もこれは滅多に飲めねぇからな
大事に飲ませてもらおう」
「それはどうも
エース、これあげる」
私はエースに小瓶を差し出した
中に入ってる液体がトプンと揺れた
「なんだ、これ?」
「ちょっとだけど…幻のお酒だよ」
「マジか!サンキュー!」
エースが嬉しそうに笑った
「ありがたく飲め。」
「おう」
「スイ〜、私にはー?」
レイが後ろから頭をグリグリしてきた
「痛いって。もー……」
私は一升瓶に入った幻のお酒を渡した
「ありがとう。あ、これ。」
レイは塩を差し出してきた
「おおー!今年はめっちゃ綺麗に出来てるじゃん!」
「でしょ?」
「お前、いつの間に塩なんか……」
「企業秘密ー。」
「と言うか、何で物々交換してんだよ」
「んー?巫女同士でお互いが作ったものを交換するのが伝統なのよ」
レイが答えてくれた
「へー」
エースは興味なさげに返事をしていた
エースとルフィがしばらく話していたから、私とレイもしばらく話していた
いつの間にかエースとルフィの話し声が聞こえなくなっていた
「そういえば、今日はマルコいないの?」
「ああ、マルコ?そこにいるよ?」
レイがマルコのいる方に目線を向けた
「あ、ほんとだ。」
「ね?いたでしょ?」
「うん」
「呼ぶ?」
「いや、いいよ。」
「そう?」
「特に話す事も無いしね」
「ならいいけど。てか、マルコとも知り合い?」
「うん。白ひげのじじいと戦った時の審判。」
「「審判…」」