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【ポケモン×忍たま乱太郎】猛獣使いがトリップした。【R18】

第2章 あれま大変なことに


少女は生まれてまもなく森の奥の奥の奥、さらに奥にある別荘へと運び込まれた。
そこは人間を憎い、殺してしまいたいと思うポケモンたちが暮らす別荘だった。
少女の母は少女をそこへ置いていった。
だから、少女は人の暖かさを知らなかった。
知りたいとも思わなかった。
育ててくれたのはここのポケモンたち。

そこでは少女はマナと呼ばれていた。
生命という意味があるらしい。

少女はポケモンの言葉を話した。
人間の恐ろしさ、凶悪さを教えこまれた。
少女はポケモンではないのでポケモンの技を使えなかった。
なので、ポケモンたちは少女にどうすれば人間を殺せるのか、どうすれば嫌がるのか、拷問の仕方を教えた。
少女はポケモンが恐ろしくなった。
いつか自分の命がなくなる。
そう思った少女は別荘から逃げたした。

足も棒のように動かなくなる頃、少女は新しいポケモンに拾われた。
見たこともないポケモンだった。
ポケモンは少女の目を塞ぎ、ある部屋に少女を連れていった。

そこには緑色の髪をした少年がいた。
少年は少女を快く思わなかった。
少女もまた、少年を嫌っていた。
少女はなにも信用出来なかった。
優しく接してくれたポケモンにも、初めて話した人も。

少女はいつしか死にたいと望むようになった。
どうしたら人間は死ぬのか、少女は何回も教えられていた。
少女は何度も何日もためらったが、遂に死のうと決心した。
少女は紙を切って遊ぶ用のハサミを手に取った。
もちろん、こんなものでは死なないなどとは少女も心得ていた。
でも、莫大な力をかけたら死ぬのではないか。
少女は首にハサミをあてがった。

その場面をちょうど少年が見てしまった。
少年は大声で少女を止めた。
少女は少年の声を初めて聞いた。
少年は少女の手首を掴み、

「なんで、こんなことするの?死んだらなにものこらないんだよ!」

と叫んだ。
少女は突然、死が怖くなった。
少年が握った手から伝わる体温。
人の涙の温度。
人間の声。

少女は少年に恋をした。
そして、結婚をした。
そして、命を絶った。

終わり
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