第1章 流されてトカゲの国?
「惜しかったなー!くそー!あと一点差ってところで雨だもんなー」
結局、あの後有利は打ったには打ったんだけどアウト。
雨でコールドゲームになってしまい結果付かず。
悔しそうな有利の背中を僕は叩く。
「なかなか良い試合だったとは思うよ。そう落ち込まず!」
「まあ、あのチームは歴史あるチームだから試合出来ただけ俺もメンバーも盛り上がったけどなー。あー!でも、悔しいー!」
空を見上げて有利は絶叫する。
相手チームの監督に褒められていたからチームの評価はなかなか良いみたいだけどな。
「そういえば村田くんは?」
「あいつはお袋に頼まれてたものがあるとかで一度家帰ったな。後からウチくるって」
なんだろ、頼まれたものって。
「陸もフェンシングの大会もうすぐだな」
「その前にテストだよ。もう必死で必死で……」
「あ……。忘れてた。テスト範囲どこだっけ」
うっかりしてたと有利は思い出そうとするがなかなか浮かんでこないようだ。
仕方ないなーと僕は少し呆れながら有利の頭を突く。
「じゃあ、有利の家付いたら教えるから」
「ありがとう!助かりますー!」
そう言いながら、へへへと有利は僕に笑いかける。
お互いあまり勉強はできる方じゃないし、助け合うこともこういうときは大切かなと。
空はもう夕焼け。
雨上がりで夕暮れは眩しいくらいに綺麗だ。
二人で空を見上げながら有利は僕に話しかける。
「しかし、部活入って半年で出場選手とはねー」
「うちの部は人数少ないから必然的にそうなるんだよ」
そんなこんな話してたら有利の家の前に到着した。
「俺、自転車置いてくるから陸少し待ってて」
「わかった」
有利は家の横に自転車を置きに行く。
「これだけ空が大きいなら地球の国以外ももしかしたらあるのかなあ」
僕はさっき眺めてた夕空をまた見上げてそんなことを思ってみたりした。