【おそ松さん】六つ子におぼれてみる気、ない?【R18】
第4章 トド松
「ねぇ、まだその冬夜っての、好き?」
ある程度落ち付いて一息ついたとき。
呟くようにとど松君は言った。
好きかどうか・・・・
「好きじゃ、ない。」
意識してみれば好きどころの騒ぎじゃなかった
顔を
声を
匂いを
目つきを
思い出すだけで吐き気がこみ上げてえずく。
それに気づいたトド松くんが慌てて背中を擦ってくれる。
「ごめん、つらいこと聞いたね
出しちゃっていいよ、我慢するのしんどいでしょう」
そう言って袋を口元に差し出してくれる。
どっからだしてきたの、なんて考えてる暇なかった。
ごめん、と思いながら胃の中のもの全部出した。
その間も袋を持って背中擦ってくれてて。
汚れるのに。汚いのに。
胃の中の物がなくなっても止まらなかった。
女の喘ぎ声が、挑発的な視線が、鼓膜に、瞼の裏に焼き付いて離れない。
「柚葉ちゃん、ごめん、きついと思うけど
ちょっと移動するよ」
そういうとトド松君はスッと私を抱き上げた。
・・・どこにそんな力が。
そんなことを思いながら意識が遠のいていった。