第9章 出会い
高学年になると、友梨香の容姿が整っている事に周りが徐々に気づきはじめ、男子からちらほら噂されるようになってきた。それがいじめに拍車をかけることになる。
成長と共に、女子たちのいじめのやり方は周到且つ姑息になり、表面上は分かりにくいものへと変化していった。
それも、バレるバレない以前に友梨香には逆効果で、いじめにより物が無くなるのも怪我をするのも、自分の頭の足りなさ故と装い、更にま〜くんの庇護欲を煽っていたけど。
そんな友梨香の策略も知らぬまま、いじめた所で変化がなければ反応も詰まらないと、女子たちからのいじめは早々に止んだが、相変わらず友梨香に近づきたがる人はいなかった。
一方友梨香はいじめが止んでも、出来ない子を装いま〜くんに世話を焼いて貰っては満足気に尻尾を振っていた。
「人見知りすんのは仕方ないけど、友梨香はもっと人と話す努力をした方がいいんじゃないか?普通に明るいし、もっと友達ができると思うぞ。」
俺以上に人との関わりが少ない友梨香を心配した、呑気で優しいま〜くんはそう言った事があった。
「ええ〜でも、やっぱ自分から話しかけるのは恥ずかしいよ。向こうから話しかけてくれる人もいないしね。それにまーくんがいればいいもん。」
へらへらとま〜くんの腕にまとわりつく友梨香は相変わらず底抜けに明るい笑顔が貼り付いたように浮かべていた。