第9章 出会い
「ねえ、あんたさぁ、ま〜くんにべたべたべたべた、うざいんだけど。必然的に俺の視界に入ることになるし、目障り。どっか行ってよ。」
相変わらずま〜くん以外には俯いて、何も言わない友梨香。
苛立って「ちょっと、聞いてんの」と肩を掴むと、友梨香は少し困ったように眉尻を下げて、けれど目は怯えや怒りなど何もなく、ただ俺を見つめていた。
俺は詰まらないと同時に微かな気味の悪さを感じて、友梨香を放ってその場を去った。
それから俺がわざわざいびり倒す必要もなく、女子たちからのいじめが始まる。
そもそも人気者でま〜くんは相当もてる。
他の人間は知らんぷりのくせにま〜くんにだけぶりっ子な友梨香が良く思われないのは当然といえば当然な事だった。