第2章 後編
トランクス……。
ユメは心の中で何度もその名を繰り返す。
ずっと知りたかった、名前。
「私は、ユメです」
「ユメさん……ですね」
彼に名前を呼ばれる日を、何度夢見ただろう。
好きな人に名前を呼ばれることが、こんなに嬉しいなんて……。
待っていて、良かった。
この3年間が、ようやく報われた気がした。
「あの……ユメさん。良かったら、これからも会いにきていいですか?」
「え……」
彼の顔は真っ赤だ。
きっと自分も同じくらい真っ赤なのだろうと思いながら。
「はい!!」
ユメはとびっきりの笑顔で頷いた。
止まったままだった恋が……今、急速に動き出す。
end.