白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第1章 蝶と俺の輪舞
気まずい空気を壊すように
『………ねぇ。
ホントに遅れる
研磨。クロ。
………行こう?』
姫凪が研磨の手を離し
少し先を歩き
振り返り手を伸ばす
「うん」
「おー」
研磨は姫凪の手を取る
俺は姫凪の隣並んで
ブレザーの奥に隠された
指をコッソリ引き出し絡める
姫凪は
チラリと俺を見上げて
困った様に笑って
視線を研磨に戻し
指に少しだけ力を込めた
その温もりに小さく笑い
空いて冷えた手で
[今日の夜 家に来て?
鍵開けとく]
今日もまた
誘い込む
蝶よ止まれと
色香を纏わせ
手を招く