白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第32章 華は蝶を蝶は華を想い過ぎて…
何度目か分からない
姫凪の父ちゃんの
釣りの武勇伝を
もう名前も日付も大きさも
空で言える程見た
魚拓を眺めながら聞く
風呂に入り
姫凪の飯を食い終わる頃には
出来上がった両親は
自室に下がってしまっていた
二人きりになったリビング
食器類の後片付けをする姫凪
手持ち無沙汰な俺は
「手伝いますかァ?」
洗い物をする姫凪に
声を掛けた
『どうしたの?珍しい!
後少しだから座って待ってて
あ、果物あるけど食べる?』
笑う姫凪に胸が跳ねる