白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第30章 蝶の心に咲く華
顔は青いし苦しそうで
いつか私に相談して来た時に似てて
『大丈夫?』
体育館から足を逸らして近づいた
私を見て不思議そうにしてる彼に
ここまでの経緯を簡潔に話すと
「分かりやすい説明ですね」
フワリと笑う赤葦くんが
何か言いたげに私を見上げてる
『何かあったの?』
その目をジッと見つめるけど
「いえ…別に…
なんにもありませんよ」
素っ気ない風な声で
顔がプイっと逸らされる
いや、ソレハナイ。
ってオデコ叩く空気でもない、か。
『赤葦くん…』
「放っといて…」
ピリピリした空気は
緩む気配もないけど
それで退く選択肢はない