白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第28章 華の祈り
「あの…黒尾さん…なんで?」
なんで?そんなの決まってる
単純に幸せになって欲しい
俺が幸せに出来なかった
アイツが重なるお前に。
そんな事言わないし
言えないけど
「…気まぐれですぅ
だからお礼も要らねぇし
期待もあんますんなよ」
アイツと同じ匂いのするお前を
笑顔に出来たら
俺もまた少し前を向けるかなとか
思っただけ。
だから礼より
「ありがと!」
そう、笑えよ
「お礼いりませんー
チョット寝ろ!
クマ出来てブスになんぞー」
ブヒャヒャッと高く笑って
踵を踏んだ靴で
赤いジャージに合流した