白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第6章 蝶と華と罠
………寝た?!早くない?!
一瞬で寝息をたてる研磨が
いつも通り過ぎて
フッと笑いが漏れる
『自意識過剰、だよね
研磨はやっぱり研磨じゃん』
ぽてん、と研磨に
頭を預けて
心臓の音を聞きながら
ボーッと眠りに
引き込まれるのを待った
研磨はやっぱり研磨だった
鉄朗もやっぱり鉄朗だよね?
心配なんか無駄って
笑えるよね?
私は気付いて居なかった
気付こうとしていなかった?
この時から
確実に何か変わろうとしてた事に
研磨が変わりかけてた事に
耳に届く研磨の心音が
早く歪になってた事に。