第16章 あなたに
バタバタと廊下を走ってくる音が響き
スパッーンと襖が開く
近藤「今度こそ産まれただろ!?声が聞こえた」
土方「近藤さん落ち着け!?」
開いた襖の前に千鶴が立ちはだかる
千鶴「近藤さん!!まだ入っちゃ駄目です!?
沖田さん以外の男性は立ち入り禁止です!?
土方さんしっかり近藤さんを見張ってて下さい!!」
近藤の背を押して廊下に押し出しパシンと襖を閉める
近藤「千鶴君一目でいいから顔が見たい・・・・・」
千鶴「いくら近藤さんでも却下です!!」
土方「近藤さん頼むから大人しく広間で待っててくれ」
千鶴と土方に怒られてとぼとぼと広間に引き返す
梅「萩やもうひと踏ん張りじゃ」
総司「えっ!?」
萩「っんんーー!!」
やや「オギャー!」
総司「ええっ双子!?」
梅「ふぉふぉ、知らなかったのかえ?
今度は元気な女の子じゃ」
呆然と産まれた我が子を見つめる
元気に産声を上げる2人の赤子
千鶴が2人目を産湯に入れて今度は沖田の腕に乗せる
千鶴「沖田さん姉様おめでとうございます」
総司「萩ちゃんは知ってたの?」
萩「何となくね、お腹の中で動いてる時に少し違和感があってもしかして双子かもって」
梅「初産でいきなり2人も産んだんじゃ、暫くは安静にな
何かあれば連絡を寄越して遅れ」
梅「広間にいる喧しい男共に挨拶して帰るわ
千鶴姉様を手伝っておやり、これから忙しくなるぞ」
よいしょっと腰を上げて部屋を出ていく
梅「無事に産まれたよ。後で見に行くといい
何かあれが遠慮せずに訪ねてくるがええ
後おぬし、少し落ち着いたほうがええ」
近藤の方を見る
近藤「うむ・・・申し訳ない」
一「玄関まで送ります」
平助「無事に産まれて良かったー」
左之「本当にな。で、どっちだと思う?」
新八「俺的にはやっぱり女の子が良いなー」
近藤「どっちでも2人に似たら可愛いと思うぞ」
わいわい話をしていると
広間の襖が開いた