第13章 不調
襖の向こうからお日様の柔らかい光が部屋を照らす
甘い微睡から目覚めると隣には誰もいなかった
萩「総司・・・・・?」
手を伸ばして敷き布に触れてみるとまだ温かい
その時ふすまが開き総司が入って来た
萩「総司・・・・・」
総司「ああ、起きたの」
総司は手に湯呑を持っている
それを見たとたん、ひどく喉が渇いていることに気がついた
萩「それ・・・・・中身、水?」
総司「そうだよ。飲む?」
うん、と頷いて身体を起こそうとする
ところが、総司は「いいよ」と萩を押しとどめ
自分の口に水を含むと萩に口づける
萩「んっ・・・」
乾いていた口の中が、徐々に潤っていく
しっとりと濡れた唇
柔らかそうな髪の毛
かすかな汗のにおい・・・・・
そうした彼の全てが今はただただどうしようもなく愛おしい
総司「おはよう。萩ちゃん」
萩「おはよう//」
総司「昨日はちょっと無理させちゃった?」
萩「えっ//」
総司「あの後すぐ寝て朝まで起きなかったから
体は辛くない大丈夫?」
萩「う、んだいじょうぶ・・・・・」
その時クゥっと小さな音が聞こえた
総司「お腹すいた?昨日は夕餉も食べずに寝ちゃったからね」
萩「そうだね。朝餉にしようか」
褥から起き上がり身支度を整え朝餉を食べに向かった
萩「ただいま戻りました」
屯所に着くと土方に声をかける
土方「戻ったか。総司の体調はどうだ?」
萩「元気ですよ。朝餉のあと素振りをするぐらい」
土方「そうか・・・処で萩、お前顔色がわりいぞ」
萩「少し疲れているだけですから大丈夫ですよ」
確かに最近少し体の調子が悪い
体がだるく食欲が落ちている
萩「それでは巡察に行ってきます」
浅葱色の羽織を着て玄関に行くと一の3番組、其れに1番組が待っていた
一「来たか・・・・・萩少し顔色が悪いが大丈夫か?」
萩「大丈夫大丈夫、さっ行こうか」
総司が一と歩く時は必ず左側、萩も総司をならい左側を歩いている
?「新選組だな!?覚悟しろ」
男たちが横道から現れ一と萩を取り囲む