第10章 稽古
ガッ、カッ道場に木刀の音が響く
平助「はぁ!」
上段から振り下ろされた木刀を避け平助の腹に蹴りを入れる
がすぐに体勢を立て直し打ち込んでくる
ガァッぶつかり合う木刀の力を一瞬抜く
平助「おわぁ!」
前に傾いた平助の腕を取り一気に間合いを詰め投げる
平助「クッ、まだだ!」
萩「これはどう?」
構えなくいきなり三段突きを繰り出す
平助「ガァッ!?」
壁際まで吹き飛ばす
萩「私の勝ちね🎵」
平助「ってぇー、くそぉ掠りもしねえ!」
萩「でも、最初に手合わせした時より良かったよ?」
平助「勝てなきゃ意味ねえよ!?それに、何でよりにもよって三段突きで負けなきゃいけねえんだ!」
何で三段突きが出来るんだよ、とブツブツ文句を言いながら一と交代する
萩「お待たせ一君、手合わせよろしくね」
一「ああ、よろしく頼む」
一礼をして構える
平助「始め!!」
平助の号令とともに打ち合う
ガァッ
左右上下と縦横無尽に振り下ろされるが
すべて躱していき下から顎めがけ振り上げる
一「ツッ!」
ギリギリの処で躱された
空いた腹に蹴りを入れるが
これも腕に阻まれ痛手にはならない
萩「さすが一君だね!」
一旦木刀を左腰に持ってくる
一「・・・居合か」
萩「そうだよ、良い?」
無言で頷き一も同じ様に木刀を右腰に持っていく
一、萩「・・・・・」
暫らく睨み合いが続く
カタァーン
平隊士が横に置いてあった木刀を倒した
2人が同時に反応する
バキッっと鈍い音が鳴り2人が持っていた木刀が砕け散る
萩「あっ!残念砕けちゃった・・・引き分けかな?」
一「ああそうだな」
平助「なあ引き分けの場合、褒美は如何すんだ?」
萩「そうだね、一君何が良い?」
一「何が良いとは?」
理解出来ずにいると
萩「ご褒美だよ!何が欲しい?」
平助「えっ!やるのか褒美!?引き分けだし要らねえよな斉藤」
自分で言い出したのに焦りだす
一「いや、くれると言うのならば貰おう」
平助「はぁ!此処は断れよ斉藤」
一「なぜ平助にその様な事を言われなくてはいけないのだ?」
平助「うっ」
萩「平助君もしかしてご褒美が欲しかったの?」